チュチェ103(2014)年4月21日 朝鮮中央通信

 

朝鮮民主主義人民共和国外務省代弁人の談話

 

【平壌4月21日発朝鮮中央通信】米大統領のオバマが近く、アジア地域を訪問するという。

オバマの今回の訪問は、米国のアジア太平洋重視戦略の実行の一環として、そうでなくても不安なこの地域に対決と核軍備競争の暗雲をもたらす反動的で危険極まりない歩行である。

オバマ行政府が2011年末に、アジア太平洋「再均衡」という名称で策定したこの戦略は本質上、この地域に力を集中してライバルを包囲、抑制し、自分らの政治的・軍事的優位を引き続き維持してみるということである。

米国は、自分らのアジア太平洋重視戦略の覇権主義的本質を隠し、ユーラシア大陸の諸大国の反発を防ぐためにわれわれの「核脅威」と「ミサイル脅威」、いわゆる「挑発」を口実に持ち出している。

3月の初め、米国防総省が発表した「4カ年国防見直し」報告書でも、アジア太平洋「再均衡戦略」によって2020年まで海軍武力の60%をアジア太平洋地域に展開するということなどを再確認して、われわれの「挑発」と「脅威」に主に言い掛かりをつけたし、この前は米国防長官がわが国の周辺に来て2017年まで日本にイージス艦2隻を追加配備するということを発表してわれわれの「侵略」をうんぬんした。

2月中旬、米国務長官が南朝鮮と中国を訪問してわが国防委員会の重大提案と北南高位級接触の実現に関係なく、今後も同じ時期に同じ方式で米国―南朝鮮合同軍事演習を行うとしてわれわれの核開発の推進と「挑発」可能性について言いふらした。

今回、オバマも常套的にわれわれに言い掛かりをつけるメガホンを持ってくるということは火を見るより明らかである。

米国がアジア太平洋の各地域の中で唯一、朝鮮半島で最も攻撃的で侵略的な合同軍事演習を絶え間なく繰り広げてその回数と規模を不断に拡大しながら、情勢激化の悪循環を人為的に維持しようとする理由はほかにあるのではない。

それはすなわち、われわれを引き続き刺激して核抑止力の強化と軍事的対応措置を誘導し、われわれに「好戦」のレッテルを張り付けて自分らの軍事的策動を合理化しようとするところにある。

しかし、米国は誤算している。

アジア太平洋地域での米国の武力増強と合同軍事演習は合理化されるどころか、むしろ地域諸国のかつてない公開的な反発に直面している。

そのうえ、米国がとんでもない「好戦」のレッテルを張り付けるのが怖くて国と民族の安全にかかわる根本問題で一寸でも譲歩したり、いかなるまぐれ当たりを願うわれわれではない。

米国がわれわれを敵視する限り、それに断固と対処できる正々堂々たる自衛的抑止力を全面的にうち固めるための努力に拍車をかけるのが、わが共和国の政策的立場である。

米国が現在のようにアジア太平洋地域で覇権を追求し、その口実としてわれわれの国益を引き続きいけにえにしようとするなら、終局的には米国自体にも良くない結果が招かれるであろう。

米国の無分別な策動は差し当たり、6者会談の再開と朝鮮半島非核化の実現の展望にごく否定的な影響を及ぼすであろうし、ひいては必ずや地域全般での核軍備競争を触発させるであろう。

中東の核問題とは比べようもなく破壊的なものになりうる北東アジアの核軍備競争は結局、オバマが唱える「核兵器なき世界」の建設構想自体をすっかりだめにしてしまうであろう。

オバマ行政府はまだ時間がある時に、対朝鮮敵視政策が実際に米国の究極的利益に合うかということを冷徹に検討する方がよかろう。

チュチェ103(2014)年4月21日

平 壌