朝鮮外務省対外政策室が公報文を発表

チュチェ113(2024)年 6月 30日 朝鮮中央通信

 

【平壌6月30日発朝鮮中央通信】朝鮮民主主義人民共和国外務省対外政策室は、「われわれは朝鮮半島地域と世界の平和と安定を破壊する行為を抑止するための重要な努力を引き続き傾けていくであろう」と題する次のような公報文を30日、発表した。

6月27日から29日まで、米国と日本、韓国が朝鮮民主主義人民共和国の周辺水域で3者間による初の多領域合同軍事演習である「フリーダム・エッジ」を強行した。

かつて、米・日・韓が各種名目の大小の合同軍事演習を数多く繰り広げたが、今回のように別途の名称をつけて大規模合同軍事演習を行った前例はなかった。

われわれは、米・日・韓が朝鮮民主主義人民共和国をはじめとする地域内の自主的な国家を狙って無分別で挑発的な軍事的示威行為を働き続けていることを強く糾弾するとともに、それが究極的に招くようになる致命的な結果について改めて厳重に警告する。

今、国際社会は今回の演習について地域の軍事的緊張を高め、ロシアの極東を圧迫し、中国を包囲しようとする米国の戦略的企図が潜んでいると一致して評している。

米・日・韓3者合同軍事演習の定例化は、自主的な主権国家を包囲、抑制し、自分らの軍事的支配権を確保するための米国の世界制覇戦略がすでに危険な限界線を超えており、世界の安全環境と地政学的力学構図に極めて否定的な変化をもたらしていることを明白に示している。

 

米・日・韓3角軍事ブロックの集中的表現である「フリーダム・エッジ」

 

米・日・韓による初の3者多領域合同軍事演習である「フリーダム・エッジ」の危険性は、単に3カ国の武力が海上と空中をはじめ複数の作戦領域で訓練を行ったことだけにあるのではない。

まさに、「フリーダム・エッジ」が米・日・韓3角軍事ブロックの組織化、体系化、実物化の所産であるところにその重大性と危険性がある。

現在、米国は米・日・韓3者関係が地域内の安定と安保を強化するための協力関係にすぎず、「アジア版NATO」を意味するのではないと弁解しているが、それは侵略的なブロックの作り上げに向けた国際的非難を免れるための言い訳にすぎない。

昨年8月、米・日・韓3者首脳の謀議ででっちあげられた文書には、3カ国のうちどの一方に対する脅威が造成されれば共同対応するために即時協力するという内容が指摘されている。

これは本質上、どの加盟国が攻撃を受けるとみんなに対する攻撃と見なして防衛力を発動するというNATOの集団防衛原則をそのまま連想させている。

実際、米・日・韓はキャンプデービッドでの謀議以降、誰それの「ミサイル脅威」に対応するという口実の下、リアルタイム・ミサイル警報データ共有システムを稼働させることで軍事情報分野における統合を実現し、米戦略資産が投入された合同軍事演習を頻繁に繰り広げて3者武力の一体化を引き続き促している。

NATOが地上と海上、空中、サイバーなど各領域で年次的な合同軍事演習を行うこと同様に、米・日・韓が3者間の多領域合同軍事演習を定例化することにしたのは、米・日・韓の関係が「アジア版NATO」の体裁を完全に整えたことを示唆している。

結局、「フリーダム・エッジ」は米国が数十年間、追求してきた米・日・韓3角軍事ブロックの形成が持続型や未来型ではない現在完了型になったことを実証させた契機となった。

 

排他的軍事ブロックの活性化に映っている真意

 

先日、米国務省の関係者は、日本と韓国がロシアの脅威に対応する上で非常によいパートナーであると力説した。

これには、米・日・韓3角軍事ブロックをただ北東アシア地域のみならず全地球的範囲で自分らの覇権戦略の履行を牽引する三頭馬車として容易に活用しようとする米国の戦略的企図が潜んでいる。

周知のように、韓国は「戦時作戦統制権」を米国にそっくり譲り渡した「軍事植民地」であり、5万4000人余りの米兵力が展開された日本は米国の最大の海外軍事基地である。

これは、米国と英国、オーストラリアの安保技術同盟である「AUKUS(オーカス)」や米国、日本、フィリピン間の3者安保協力体とは違って米・日・韓3角軍事ブロックが米国の指示と指揮に従っていつにでも他国を狙った軍事的対決に臨むことのできる戦争機構、侵略機構であることを示唆している。

米国が欧州の戦争機構であるNATOと日本、韓国との関係を密着させようと粘り強く試みたのも、決して偶然なことではない。

すでに、18年前に日本と韓国のNATO入りを推進した米国は、アジア太平洋地域に戦略的中心を据えた時からNATOと日・韓との有機的結合を実現させるのに一層熱を上げている。

米国の操りによってNATOとパートナーシップを樹立し、日常的な対話ルートを構築した日本と韓国は現在、毎年開かれるNATO首脳会議に参加するだけでなく、NATO主導の軍事演習にまで足を踏み入れてNATOとの協力の幅をさらに拡大している。

ウクライナ事態の勃発(ぼっぱつ)後、日本が反ロシア圧迫策動に狂奔している中で韓国がゼレンスキーのナチ政権に殺人装備を提供しようとする企図を露骨にしているのは、NATOと米・日・韓3角軍事ブロックとの関係の密着が危険な水準に到達していることを示している。

現実は、米国とその追随勢力が唱えている欧州とアジア太平洋地域における安保間の「不可分の相互関係」がNATO加盟国とアジア太平洋地域の親米国家間の政治的共謀・結託と軍事的一体化を実現し、自主的な主権国家を包囲するための名分にすぎないことを立証している。

 

米国の同盟戦略を粉砕するのは国際平和と安定保障のための差し迫った要求

 

バイデン行政府は、「インド太平洋戦略報告書」と「国家安保戦略報告書」を通じてアジアと欧州の同盟国が互いに連合して戦略的ライバルに対抗すべきであると唱えた。

最近は、自分らの同盟戦略が多様な二国間同盟を結ぶ「拠点中心型」から複数の多国間同盟が互いに協力する「格子型」に転換しており、「同盟保護」の時代が終わり「同盟行動」の時代が到来していると言い立てている。

これは、米国の世界制覇戦略の優先的目標が自分らの強権と専横に反旗を翻した自主的な主権国家を抑制するための全地球的な包囲網を形成するところにあるということを示している。

米国のこのような対決的企図は、世界の至る所で政治的不安定と軍事的対立を助長させ、流血惨劇の戦乱と一触即発の安保危機を生じさせている根源中の根源である。

現情勢は、自主的な主権国家が国家の安全を守り抜くための自衛的力を絶えず備蓄すると同時に、相互協力と共同歩調を一層強めることで敵対勢力の集団的な軍事的干渉を効率的に抑止することのできる勢力構図を構築することを求めている。

朝鮮半島と地域の平和と安定を破壊する米国とその追随勢力の侵略ブロックの拡大と軍事的対決騒動は、自主的な主権国家の強力で調整された対応によって必ず抑止されるであろう。

われわれは、朝鮮半島地域の安全環境を露骨に破壊し、世界の平和と安定を重大に脅かす米国とその追随勢力の軍事ブロック強化策動を絶対に黙過しないであろうし、攻勢的で圧倒的な対応措置で国家の主権と安全利益、地域の平和を徹底的に守っていくであろう。(記事全文)

 

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