〈総聯第21回全体大会〉 来賓のあいさつ
国交正常化に向け連帯強化を
みなさんが目指す在日同胞の生活と権利の確立をはじめ、民族教育の充実と発展、そして真の日朝友好と祖国統一に向けた活動は、みなさんの正当な権利であります。また、それは日本の民主主義と平和に貢献しており、何一つ日本政府に非難され、妨害され、弾圧される理由はありません。
むしろ日本政府は、過去の歴史を反省し、在日のみなさんの民族的、民主主義的権利の保障に責任を持つべきであり、ここ最近行われた一連の政治弾圧は許しがたい行為と言わねばなりません。しかも安倍政権は、拉致問題を最大限に利用しマスメディアを総動員して、日本社会と国民に反朝鮮人、反総聯、反共和国の敵意を煽っております。その一方で、日本の軍事化と憲法改悪への道を驀進しております。
在日朝鮮人に対する人権蹂躙や総聯への弾圧はそのための地ならしであり、在日の人々や総聯だけの問題でなく、日本の人権と民主主義に対する破壊であり全民主主義勢力に対する挑戦と攻撃であります。したがって私たちは、みなさんとの力強い共同のたたかいに立ち上がらなければならないと思います。
米朝関係は大きく変わりました。米国は共和国の要求と主張をすべて受け入れる結果となりました。共和国の外交の勝利であります。また、5月17日、南北の列車が57年ぶりに軍事境界線を越えました。朝鮮を取り巻く状況は着実に進展しております。その歴史に背を向け敵対して自分の過去責任を回避しているのは日本であり、安倍政権であります。この安倍政権の野望を打ち砕く力は、日朝連帯の運動を強めることにあるのではないでしょうか。
私たちは、南北朝鮮、そして世界の平和と正義のためにたたかっていく新しい力と連帯で、平壌宣言の履行と日朝国交正常化を力強く進め、安倍政権にその実現を求めていくために立ち上がろうではありませんか。東アジアの平和と発展のために、今後ともより固い連帯でみなさんと共にたたかうことを約束します。(朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会代表 清水澄子)
平和勢力、鉢巻締め直して
私は、この大会に来てあいさつすることにいくつか躊躇しました。安倍政権の共和国に 対する敵視政策、みなさんに対する不当な弾圧、この暴走を許しそれに対して抗することのできない平和団体、民主団体、私たちは一体何だろうかと思い躊躇しました。
しかし、日朝国交回復のため、在日の人たちの権利を前に進めるため、みなさんと一緒になってがんばるのだと、そのための一歩を踏み出すのだと、日本の平和団体がもう一度決意しなおすのだという思いで来ました。
私は2002年の9月17日、日朝平壌宣言が発表されたとき、本当にうれしく思いました。これで、東北アジアの平和と日朝国交回復に向け確実に前進すると思いました。そして、日本が犯した罪が平壌宣言に沿って清算されるのだと思いました。しかし、米国の軍事力による世界支配の中で、逆流の中で後退させられてきました。
しかし、共和国のみなさんの本当に粘り強い外交努力の結果、もう一度事態は前に進みました。そしてそれが、2005年の6カ国共同声明であり、今年の北京合意でありました。世界は、またこの東アジアは、みなさん方の祖国の努力や祖国と信頼し合っている国々、平和勢力の力によって着実に前進をし始めていると思っております。
日本の国民の多くは、日朝の国交正常化を何としても進めるのだと思っており、それが多数派だと思っております。その多数の意志を大きな力として、それを大きな政治の流れの中で作り出すためには、私たち平和勢力の多くの仲間がもう一度鉢巻きを締め直して、がんばらなければならないと思っております。
今日この場所でみなさんの目を見て、私もやっぱりもう一度がんばろうと、日本の平和団体、民主主義勢力として、もう一度がんばろうと思いました。みなさんもぜひ、祖国の統一と在日のみなさんの権利確立を目指してがんばっていただきたいと思います。私たちもみなさんと連帯してがんばっていきたいと思います。(平和フォーラム事務局長 福山真劫)
平和と協力の地域の姿見える
本日は辛い気持ちで伺いました。過去3年間、みなさんは大変困難な時期を過ごしてこ られました。私たちにとっても苦しい時期でした。
2002年9月には、日朝首脳会談が開催され、あの歴史的な平壌宣言が採択されましたが、拉致問題だけしか見ないマスコミと国民の態度によって事態は暗転しました。
日朝関係がいつよりも悪化し緊張しています。今は、朝鮮の船舶が入港を禁止され、貿易が途絶え、人の往来も減少しています。そして日本では、日本が朝鮮を植民地支配したことが忘れられ、それがもたらした損害と苦痛に対して反省と謝罪を表明したことも忘れられてしまったかのようです。このような事態に陥ることを防ぐことができなかった私たちの責任を痛感せざるをえません。
日本政府は、現行法制度の下での厳格な法施行を引き続き実施していくという掛け声の下、在日朝鮮人と朝鮮総聯に対して不当な圧迫を加えています。
在日朝鮮人は、共に生きる日本の社会の大事な一員です。このわれわれの内なる隣人に対して嫌がらせや圧迫を加えることをもって、隣国への外交的な制裁の手段とすることは、あまりに非理性的であり非文明的な態度です。日朝国交交渉の再開を望むなら、このような圧迫を直ちに中止すると宣言すべきです。
6者協議が大きく前進し、重要な合意が2月に採択されました。朝鮮半島の非核化が実現されれば、東北アジアの地域安全へと進むことが約束されています。対立と緊張の向こうにすばらしい希望の新しい平和と協力の地域の姿が見えています。
私たちは、日本の政府と国民の態度がここで変わらなければならないと考えます。日朝国交促進国民協会はこのために懸命に努力してまいります。私たちは朝鮮総聯が、民族教育と生活上の諸権利と経済活動の発展のために積極的に活動し、日本と朝鮮の国交樹立、友好協力関係の確立を招き寄せるために立派に努力されると確信しております。(日朝国交促進国民協会事務局長 和田春樹)[朝鮮新報 2007.5.30]