さらに露骨化する憲法改悪策動
2025年 11月 3日《労働新聞》
自民党と日本維新の会の連立で構成された現日本内閣が、憲法改悪の動きを繰り広げることから第一歩を踏み出している。
両党が、連立政権を構成するための合意書に憲法9条の改悪と関連した条文草案作成協議会を設置するという内容を盛り込んだのである。執権前から憲法に「自衛隊」の存在を明記することを主張してきた自民党と、戦力の不保有を規定した憲法条項の削除を党論として定め推進してきた日本維新の会が、野合の最初の産物として憲法改悪問題を実践段階に持ちこんだのである。
日本政界でこれまで憲法改悪問題が一度や二度だけ論議されたのではない。
これまでの時期、安倍や岸田をはじめ、日本の極右翼政客は「任期内の憲法改正実現」を公約として掲げ執拗に推進してきた。それは主に憲法改悪の「当為性」、「切迫性」を各界に認識させ、野党をはじめとする反対派の挑戦を無力化させることに志向されてきた。そのようなことで憲法を改悪するための条文の作成問題は、せいぜい自民党内の枠を出られなかった。
しかし現在推進しようとする問題は、その段階を脱して条文草案作成のための協議会を設置することである。機構の設置範囲も一つの政党内部ではなく内閣である。それによって憲法改悪問題は反対派勢力を説得する段階を飛び越え、実務的な関連機構を設置する段階へ移った。
これは、現高市内閣の狡猾で独善的な正体を明白に実証している。
一時、一部言論と専門家の間では、国会多数派の地位を失った自民党が首相指名選挙を前に日本維新の会と政略的な結託を実現した目的をめぐって、支持票を集めるためであるかのように評していた。
しかし現在の日本政界の流れを見れば、自民党と日本維新の会の野合を単純に権力欲だけで見ることはできないということが明白である。
現代日本政治史で容易に見出すことができない右翼保守政党の露骨な共謀結託である。
最近日本では、経済危機の長期化と不正腐敗の横行で政治に対する国民の不満が高まっている中、政党が権力をめぐって複雑多端な動きを見せていることにより、既存の政治構図に一定の変化が起きている。数十年間、維持してきた党同士の連立が崩れ、政治的傾向で一部共通的な立場を取ってきた党同士にも排斥する機運が高まっており、顔を背けていた勢力同士には結託を実現しようとする傾向が見えている。
それを機会に自民党は「強い日本の建設」を提唱し、保守的な色彩を明確にすることで混乱した民心を誘惑しながら、宿願である憲法改悪実現により注力しようとしている。
現首相高市早苗は自民党総裁選挙に出馬した時から「自衛隊」の存在を憲法に明記し「強い日本」、「力ある自民党」を作ると一貫して主張してきた。
いかなる代価を払ってでも憲法を改悪し、日本を堂々たる戦争国家に変身させようというのが現自民党の政策目標であり、その実現のために他ならぬ日本維新の会を政治的同盟者としたのである。日本維新の会もまた政治権力に魔手を伸ばして野望を実現しようとした。
結局、右翼保守的な政党が憲法改悪という共通目的実現のために共謀結託した産物がまさに日本の現右翼内閣の出現だと言える。
このような状況を見れば、現日本内閣が憲法改悪のための実務機構の組織を合意書に盛り込んだことは決して偶然ではない。日本政治の右傾化の必然的な産物である。
高市内閣の独善的なふるまいによって憲法改悪が本格的な実践段階に入る可能性が大きくなっている。
本社記者 ウン・ジョンチョル
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