「慰安婦」問題で「6.14国会前行動」 日本市民ら8時間にわたり活動展開

「被害女性の尊厳取り戻そう!」

 「日本の中から批判の声を、見えるように、聞こえるように、日本政府にぶつけよう!」-日本軍「慰安婦」問題緊急行動ネットワークの呼びかけに14日、各地から約150人の有志が集い「6.14国会前行動」が行われた。参加者は日本軍性奴隷被害女性の写真やプラカードを手に、日本政府に被害女性への直接謝罪と賠償を求めた。同時に、謝罪を求める米国議会決議に対する妨害をやめるよう強く訴えた。国会前でのスタンディングやロビーイング、都内要所での街頭アピールなど小雨がぱらつく中、活動は延べ8時間に渡った。

「日本でも正義の声を」Wianbu_01

               
 5月19日~21日にソウルで行われた第8回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議には、日本から約50人が参加した。                                                 「『安倍』にも『雨』にも負けないぞ!」と国会前
                                                                                                                                    での スタンディングが精力的に行われた

 「日本でも正義の声を上げなければいけない。少しでも被害女性を癒してあげたかった」と、日本軍「慰安婦」問題緊急行動ネットワークの柴崎温子さんは今回の「国会前行動」に至るきっかけについて話す。

 国会前でのスタンディングは正午から始まった。被害女性を代表して南朝鮮から来日した李容洙さん(80)があいさつした。

 李さんは15歳のときに日本軍に連れ去られ、「慰安婦」として台湾での生活を余儀なくされた。暴行を受け腹膜炎になってなお、苦しく虚しい生活は強制され続けた。

Wianbu_02 被害女性の写真を手に直接謝罪と
賠償を求める参加者ら

 「自分が話さなければ誰も知ってくれない」と92年に「過去」を打ち明け、高齢をおして「生き証人」として語り続けている。人々の記憶からなくなり、なかったことになるのが怖いと李さんは言った。

 これに応えるように、なかったことにしてはいけないとの発言が相次いだ。

 参加者らは被害者を無視し、ブッシュ大統領に「謝罪」する安倍首相の言動は、被害女性をさらに苦しめる行動だと指摘。「慰安婦」問題は女性の人生に関わる問題だと強調した。また「自分たちには選挙権がある。問題解決に向けて戦うことができる」「被害者がいなくなったあとで一体、誰に謝るというのか。一刻も早く解決に取り組まなければ恥を残すことになる」といった発言が続いた。

 小雨が降り出したが、「『安倍』にも『雨』にも負けないぞ!」とスタンディングは続いた。

青年たちの声

 多くの青年たちも発言に加わった。高齢者が多い中で、青年たちの発言は参加者を勇気付けた。

 青年たちは、現在の状況が「異常」であることを広く伝えることが重要と主張。歴史を否定することは、人間の尊厳を否定することになると述べ、解決するまであきらめないと決意を語った。

 ハイナンNETの梁英聖さん(24)は「被害者ばかりに頼ることはできない。若い世代が、どんな社会を作り上げていくのかを考えなければいけない。また戦後補償にどう関わっていくのかが課題」としながら民主主義、民族に関わる問題だけに、自分たちが主体にならなければいけないと語った。

 旧日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画・京都実行委員会の村上麻衣さん(28)は、政府関係者が被害者の存在自体を否定する発言を聞くたびに、いままで出会った被害女性の顔が頭に浮かぶと心を痛めながら、「国家間の話で終始してしまいがちだが、実際の被害者は一人ひとり。もっと個人の尊厳が大事にされる社会を目指したい」と語った。

「理解、きっと生まれる」

 参加者たちは衆議院、参議院の約80人の議員を訪ねロビーイングを行ったほか、御茶ノ水、秋葉原、渋谷、新宿などで街頭アピールを行い「慰安婦」問題に関する「Q&A」を配布した。

 ロビーイングでは「微妙な問題だ」と消極的な議員もいたが、協力を約束した議員も少なくなかった。

 夕方からは、この日2回目となる国会前でのスタンディングに移った。

 ある予備校の講師は「いままですべてを被害女性に語らせてきた。今後、日本人自らが語っていくことが大事になる。ちゃんと説明していくことで理解はきっと生まれる」と自身の経験を交え話した。

 最後には「被害女性の尊厳を取り戻そう!」とシュプレヒコールが起こり、再会の約束が交わされた。

 「本当はこんな約束したくないのに…」と参加者は口々に言う。日本政府が被害者と真摯に向き合い、一人ひとりへの謝罪を明確に表明した時、「再会の約束」はもう必要ない。

 被害女性の求めているのは正義と尊厳の回復である。それを願い李容洙さんは今日も語り続けている。パスポートは出入国を表す各国のスタンプで悲痛にもいっぱいになった。それでも、まだ、問題は解決していない。国家が責任を認めないかぎり、被害女性の真の名誉を回復することはできない。それはすなわち、同様な惨事の再発防止すら叶わないことを意味する。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2007.6.22]

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