「慰安婦」問題 米下院での決議採択、日本首相の謝罪 国会決議を

日本の市民、団体、野党 「公式謝罪」のための運動展開

 米下院本会議で、日本軍「慰安婦」関連決議案が採択された(7月30日)ことに対し、アIanhu70731ジア各国の運動団体は支持歓迎の声明を発表、国際的な連帯のさらなる強化を目指し 活動を展開していく立場を表明している。

                                                                                                                                    米下院本会議での決議採決を受けて記者会見
                                                                                                                                          を行う市民団体のメンバーら(7月31日)

 閣議決定の実現を

日本軍「慰安婦」問題について謝罪すべき当事国である日本では7月31日、日本の過去清算を求める活動を繰り広げてきた市民団体が相ついで米下院本会議での決議案採択を歓迎する声明を発表した。

 この日、これまで「慰安婦」被害者の裁判を支援し、実態調査・研究に取り組むなど日本軍「慰安婦」問題を追及してきた日本の戦争責任資料センター、「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW-NETジャパン)、アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(WAM)が参院議員会館で記者会見を行い、日本政府に謝罪、賠償するよう求めた。記者会見に先立ち、同団体の代表らは、謝罪の具体的内容に言及した「提言」を安倍首相にあてて内閣府に提出した。32の市民団体が賛同した。

 WAM館長の西野瑠美子さんは記者会見で、「米国の言うことを聞けというのではない。国際社会が日本の謝罪を注視している。首相、政府がきちんと向き合ってほしい」と訴えた。

 「提言」はまず、日本軍および日本政府が植民地や占領地の女性を強制的に性奴隷状態においたこと、それが違法だったことを認め、そして日本政府または国会が閣議決定や国会決議など公的な形で国家責任を明らかにした謝罪を表明することなどを求めている。

 「提言」に賛同し、歓迎声明を出した各市民団体は、日本政府に謝罪を求める活動を引き続き行っていく予定だ。アジア各国の団体もそれぞれの連帯を強化し、日本政府に行動を促す国際世論形成のため、さらに積極的な活動を繰り広げていく計画をたてている。

 一方、今夏の参議院選挙で過半数を占めた野党も米下院本会議の決議を支持し、自国の責任を明確にするため行動していくことを表明している。

 社会民主党の福島みずほ党首は7月31日、市民団体の記者会見であいさつし、参議院で日本軍「慰安婦」関連法案を通過させたいと語り、「河野談話」の内容を継ぐ閣議決定も実現させなければならないと述べた。

終わりではなく始まり

 今回の米下院本会議での日本軍「慰安婦」関連決議案は4つの項目からなっている。▼明確であいまいでない方法で公式的に事実を認め、謝罪し、▼日本軍「慰安婦」はいなかったという主張を否定し、▼現在と未来の世代に正しい教育を実施する。そして、謝罪の方法として▼日本の首相の公式声明を通じての表明を促した。

 とくに注目される点は、過去の罪に対して謝罪を行う主体を明確に示していることだ。そして、謝罪が具体的にどのように行われるべきかについても指摘した。

 決議は、他でもない日本の首相が謝罪することを求めた。現時点で謝罪を行う主体は、日本軍による「慰安婦」強制動員の事実を否定した安倍首相だ。

 また、明確であいまいでない方法で謝罪を求めたのは、過去の「謝罪」がそうした水準に達していなかったことを指摘するものだ。

 1993年に発表された「河野洋平官房長官談話」は、日本軍「慰安婦」問題に対する「軍の関与」に言及し「謝罪と反省」を表明したが、国家犯罪としての日本国の責任を公式に認めていない。また、形式も閣議決定ではない内閣官房長官の「談話」の形にすぎなかった。

 そのため、一部の勢力が「河野談話」の内容を否定し、見直しを求めてきた。安倍首相もそのうちの一人だ。

 首相の座についてからも、日本軍「慰安婦」制度を証明する証拠はないとの、歴史修正主義者の本性をさらけだす発言をしてきた。

 米下院本会議決議はまた、日本軍「慰安婦」問題を「20世紀最悪の人身売買の一つ」と規定した。

 日本は「すでに『慰安婦』問題に対して責任を認め、被害者に補償もした」(加藤良三駐米日本大使)と弁明してきたが、決議はそうした責任回避は国際社会では通用しないということを実証した。

 今回の決議案を主導したマイク・ホンダ議員は7月30日の記者会見で、「決議案通過は終わりではなく始まり」だと強調した。今回の決議に法的拘束力はないとされるが、日本政府が引き続き問題解決を回避するなら、国際社会からさらに大きな反発を受けることになるだろう。(呉陽希記者)

[朝鮮新報 2007.8.8]

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