霊通寺を訪ねて 李大熙
私はさる6月19日、6.15共同宣言発表7周年記念民族統一大祝典に参加した総連 代表の一人として、霊通寺を参観することができた。
参観を希望する28人を乗せた送迎バスは、午前9時に宿舎を出発した。 大覚国師碑を観る一行
霊通寺は、平壌から開城まで136キロメートル、開城からさらに12キロメートルの位置にある。高速道路は、いくつかの小高いトンネルがあり、ほとんど直線に延びている。
車窓から眺める祖国の山野の風景は、とても懐かしかった。青く晴れ渡った初夏の陽光に、背伸びしている並木、果樹の田野の広がり、今年の大豊作を語っているようだった。走馬燈のように疾走する送迎バスは、いつのまにか開城市街に達した。
開城市行政機関の観光担当者と、霊通寺の鄭英姫所長(45)らの案内で、霊通寺に向かった。鄭所長は霊通寺の復旧以来、所長の重責を担い、毎日多忙を極めていると言う。私たち一行が訪問した前日、南からのツアー客560余人が訪れたと話した。これからも交代で2000余人が訪れるという。金剛山に次ぐ第2の観光地は、霊通寺になるだろうというから驚きである。
鄭所長は、これからの仕事について自信と抱負にあふれていたし、開城周辺の歴史についても語ってくれた。高麗時代の仏教の話や、開城人参の話など、おもしろく聞かせてもらった。
何よりも、霊通寺の復旧工事に当たっての難工事の一つが、12キロメートル山道開通までの作業であったという。道路沿いには、白い岩盤がちょうど畳のように連なっていて、不思議な光景であった。
霊通寺の入口の前には、広い駐車場が設けられ、横には一目でわかる案内板が立てられていた。そこには、当日の講師を担当する曺昌玉さん(33)が、私たち一行を待っていた。
まず霊通寺の本堂へと案内された。鬱蒼と茂る五冠山に囲まれた荘厳な仏閣の建物に驚いた。
曺講師の案内を受けながら、東門、重閣院、崇福院、普光院、松都第一楼、五重塔、三重塔、大覚国師碑、敬先院、天台鐘など、つぶさに参観した。中には、在日同胞から奉納された石仏座像(同身体翡翠)が安置され、輝きをはなっていた。
院内の仏殿、仏像などの説明は、張炯明、李正覚2人の僧侶から、細かに話してもらった。仏壇の前には、賽銭箱も設けられていた。
霊通寺は、高麗初期に建設され、16世紀まで存在した。朝鮮の民族文化遺産保存政策により、2000年から北と南、海外が共同で復元工事を推進し、6万㎡の敷地、4000㎡の面積に29棟の仏閣が400年を経て、2005年、見事に完成された。こうして高麗の歴史が刻まれた霊通寺が立派に復元され、民族文化遺産として蘇った。とくに、お寺の屋根を覆う瓦の輝きが印象的であった。(兵庫県同胞長寿会)
[朝鮮新報 2007.7.21]
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