本の紹介 : 『中国国共内戦と朝鮮人部隊の活躍一九四五年八月~一九五〇年四月』

チュチェ105(2016)年년 1月 27日 ウェブ・ウリトンポ

 

weburi_book160125米国と中国、この二つの大国はいまや、冷戦後の国際秩序再編の中心となっている。しかし中国は、六六年前に中華人民共和国が成立するまでは帝国主義列強の半植民地であり、図体の大きい弱小国にすぎなかった。

中国が、自主独立の新しい国に生まれ変わり、今日の隆盛をみるまでには、国民党政権と中国共産党との、いわゆる国共内戦という陣痛を経なくてはならなかった。この内戦の帰趨を決する「天王山」がまさに中国東北地方(満州)であった。

その東北解放戦争で、金日成は毛沢東ひきいる中共軍を徹底的に支援し、その勝利に巨大な貢献をした。そのことを、具体的な史実にもとづいて叙述したのが本書である。このような歴史的事実が日本人の前に明かされるのは、これが初めてではないだろうか。日本歴史学界にも一石を投じる衝撃の一書として大きな反響をよんでいる。

日本敗戦当時、東北地方は中国共産党組織の空白地帯であるばかりか、国民党軍の到着を待つ土匪、日本敗残兵、旧「満州国」残余勢力のうごめく無法地帯となっていた。

シベリアの基地にいた金日成は、ソ連軍対日参戦と同時に指揮下の朝鮮人民革命軍の優秀な幹部たちの一部を、祖国にではなく中国東北地方に派遣する。派遣にあたって彼は、根拠地の創設、朝中人民の武装隊伍編成、党、大衆団体、政権機関の組織を指示した。これらの措置が、やがて大きな威力を発揮する。

金日成は朝鮮北部地帯を中共軍の秘密ルートとして提供するとともに、常設兵站機関である朝鮮駐在東北局弁事処の設置に協力した。こうして膨大な量の人員と戦略物資を輸送し、事実上朝鮮は中共軍の「国家的後方」の役割をはたした。(記事全文)

 

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定価 : 本体2,315円+税

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発行元 : 同時代社

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