Archive for 7月 8th, 2007
「ウリ民族フォーラム07 in 岡山」 同胞社会の「夢」をカタチに
「ウリ(わが)民族フォーラム2007 in 岡山」(主催=同実行委員会)が2日、岡山衛生 会館(三木記念ホール)で行われた。今回で12回目となるフォーラムには、中央と各県の青商会会長をはじめとする役員と会員、岡山をはじめとする各地の同胞ら約650人が参加した。「同胞社会の『夢』をカタチに」をテーマに行われたフォーラムでは、朝・日の青年らによるオープニングや地元岡山青商会メンバーによる合唱、青商会の元メンバーらによるトークショー、青商会として今後取り組むべき企画をプレゼンする「ミレ(未来)プロジェクト2007」などのほか、岡山朝鮮初中級学校の生徒らによるコンサートなどが行われた。
各地から集まった会員ら
4人がプレゼン
今回のフォーラムの目玉は、「ミレプロジェクト2007」。
青商会中央アドバイザーである金舜植弁護士、姜志成・岡山県青商会常任幹事、李忠烈・茨城県青商会会長、金世鎮・京都府青商会幹事長の4人が出演し、プレゼンを行った。
同胞弁護士育成基金の設立について語った金舜植弁護士は、各地域で豊かな同胞社会を再構築していくことが青商会の役割だと指摘。実質的な勝訴といえる和解を勝ち取った「枝川裁判」が示すように、「運動のプロ」としての真の同胞弁護士をより多く育てなくてはならないと強調した。そして、朝鮮大学校で弁護士を目指す生徒らを支援するために基金を設立しようと訴えた。
岡山初中の生徒らによるコンサート
ネットワークの力で新たな全盛期を切り開くことについて語った姜志成幹事は、同胞社会の未来を担っていく子どもたちが学ぶ朝鮮学校が、日本当局による弾圧や同胞数の減少と少子化などにより存亡の危機に立たされていると述べながら、各地の青商会で行っている朝鮮学校支援事業を一つにまとめ、すべての朝鮮学校の新入生に制服を贈呈しようというプロジェクトを打ち出した。
青商会によるビジネススクール開設の必要性を訴えた李忠烈会長は、在日同胞には1世から受け継いだ起業精神と豊かな人的ネットワークという企業家にとってとても有利な要素を持っているものの、ビジネススキルが足りないのがネックになっていると指摘。徹底的に実践に即した内容を基本にスキルを身につければ、多くの在日同胞に新たなビジネスステージを提供することができると強調した。
スポーツ分野におけるコリア共同応援グッズの製作について述べた金世鎮幹事長は、6.15統一時代を迎えた今、北と南の和解、統一へと向けた動きはとくにスポーツ分野で加速化していると述べながら、「ウリ」という共通項に基づき、北と南、海外のすべての同胞がオリンピックをはじめとする国際大会で、青商会で製作した同じグッズで選手たちを応援することにより、統一の雰囲気をさらに高めようと訴えた。
4人のプレゼンは、会場および審査員の厳正なる審査の結果、すべてが最優秀賞を授与された。
フォーラムの目玉企画
「ミレプロジェクト2007」
「これをスタートに」
フォーラムでは、青商会の結成と発展のために尽力した李長五・商工連合会国際事業部長、李英一・広島地域商工会理事長、鄭致元・青商会中央直前会長らが出演したトークショーも行われた。
出演者らは、「12年の活動を通じて青商会は大きく進化したが、まだ完成ではない。これからも完成に向けてがんばってほしい」(李長五氏)、「青商会は、私に在日朝鮮人としての正しい生き方を教えてくれた。現役世代も、青商会の活動を通じて在日朝鮮人としての魂を学んでほしい」(李英一氏)、「置かれた環境に合わせて、常に変化するのが青商会の形。先代のやってきたことを2倍やればいいというわけではなく、常に思考して同胞 社会の主役、主力として先頭に立ってほしい」(鄭致元氏)と後輩にエールを送った。
フォーラムの第2部で行われた岡山初中の生徒らによるコンサートには、会場から温かい拍手が送られた。
親元を離れ、同校の寄宿舎「ピンナラ寮」で暮らす生徒たちによる朗読、舞踊部の華麗な舞台、全校生徒と園児らによる合唱など、母校を愛し立派な朝鮮人になるという生徒たちの思いが表現された公演に、参加者らは目に涙をためながら感慨深げに見入っていた。
フォーラムのエンディングでは、久しぶりにプレートの受け渡しが行われ、来年の開催地に千葉が決定した。
実行委員長の金三龍・県青商会副会長兼地域青商会会長は、「準備期間が少ないなか、実行委員たちが仕事も犠牲にして、それこそ24時間、フォーラムの準備のために奔走してくれたこともあり、本番があまりにも早く終わってしまったようでとても惜しい。しかし、準備を通じて青商会メンバーの熱というか、思いが一つになったことは大きな成果。フォーラムをスタートに、これからも地域で青商会が活躍できるよう会員ともどもがんばっていきたい」と感想を述べた。(李松鶴記者)
[朝鮮新報 2007.7.6]