Archive for 7月 27th, 2007
「総連弾圧、即時中止せよ」 南朝鮮、海外同胞が日本糾弾
日本当局の総連弾圧策動を糾弾する声が南朝鮮でも上がっている。
統一運動団体のメンバーらが日本大使館前で抗議行動を行い、日本の「反人道的、反歴史的犯罪行為」を糾弾した。また、海外同胞団体も相ついで声明や談話などを発表し、総連のたたかいに支持と連帯を示している。
日本大使館前で会見
南朝鮮駐在日本大使館前で記者会見を行い、
在日同胞に対する弾圧を即時中断するよう
求める6.15共同宣言実践南側委
[写真=統一ニュース].
6.15共同宣言実践南側委員会は19日、南朝鮮駐在日本大使館前で記者会見を行い、在日同胞に対する弾圧を即時中断するよう求めた。
同委員会は、安倍政権が参議院選挙に際して、右翼勢力を扇動し在日同胞に対する弾圧を強めていると主張した。
この日の記者会見ではまず、日本政府と右翼勢力による在日同胞への弾圧の実態について報告があった。また、参加者による糾弾発言に続き、声明書が朗読された。
同委員会は声明書を通じて、日本政府が▼在日同胞に対する弾圧を即時中止▼過去、日帝侵略の歴史を謝罪、補償し軍国主義の企図を中断▼敵対的対北政策の中断、朝・日関係正常化に積極的に取り組むこと―などを要求した。
また、総連中央会館の土地と建物に対する強制売買をはじめ一連の弾圧事例に言及し、「北の脅威」を誇張することで過去侵略の歴史を否定し、平和憲法の改正を通じて軍国主義野望を達成しようとする日本政府の態度を非難した。
また、日本政府が自らの不純な政治目的を達成するために「拉致問題」を6者会談にまで持ち出し、「2.13合意」履行に難関を作り出しているなど朝鮮半島と東北アジア地域の平和の流れに逆行していると指摘。日本政府は北と総連に対する敵視政策を撤回し、平壌宣言に沿って関係正常化に取り組まなければならないと主張した。
同委員会の関係者は記者会見後、この日の声明発表が単純な一過性の行事ではないとしながら、「今後も、日本政府の態度を注視し、対応していく」との立場を表明した。
6.15欧州委も声明
6.15共同宣言実践ヨーロッパ地域委員会は20日声明を発表。安倍政権に対して総連中央会館に対する不当な強制整理回収策動を即刻中止し、保守メディアを動員した悪質な宣伝を中断するよう求めた。
また、このような要求が履行されない場合、全民族的な統一組織である6.15民族共同委員会に網羅された団体の総意を集め、安倍政権の在日同胞弾圧反対運動を全世界的に繰り広げると警告した。
そして、ヨーロッパ各地の日本大使館と領事館に対して抗議行動を行い、安倍政権の在日同胞弾圧と人権蹂躪行為を欧州議会および国際機構や団体などに暴露し糾弾する活動を展開していくと強調した。
一方、在ドイツ同胞協力会は22日に発表した声明で、日本政府の行為は少数民族抹殺行為だと指摘。総連中央会館強奪行為と在日同胞に対する弾圧を即時中止することを求めた。
[朝鮮新報 2007.7.25]
同胞女性の「薬事法違反」 不起訴処分、安倍政権 マスコミ一体の犯罪
事実無根、でっち上げ、人権じゅうりん
執権以来、安倍政権は段階的に総連に対する政治弾圧の度合いを強め、現在、総連中央会館の土地、建物まで奪い取ろうと狂奔している。こうした中、さる6月20日、「薬事法違反」の容疑がかけられていた同胞女性の不起訴処分が決まった。これまで、数度にわたって行われた強制捜索の口実となった「犯罪」がねつ造であったことが明らかになった。
作り上げられた「法的根拠」
不起訴処分と関連して4日に
行われた記者会見
6月20日、不起訴処分を決定した際、東京地検は「利得や闇取引の目的はなかった。総連の組織的な関与も見られない」と認めた。これにより、総連東京都本部や同胞女性宅への強制捜索に「法的根拠」がなかったことが客観的に証明された。
警察当局による強制捜索と時を同じくして、日本のメディアは同胞女性を「北のスパイ」であるかのように扱いながら、「犯罪人」の汚名を着せた。
不起訴処分が決まったあと、同胞女性は当時を振り返りながら「何の罪もないのに、まるで私がスパイとして活動しているかのように事実をねつ造した捜査当局とメディアの報道に強い憤りを覚える」と語った。
同胞女性の弁護を担当した弁護士たちは、最初から犯罪が成立する要件がなかったため不起訴処分は当然のことだとしながらも、「強制捜索をするために『犯罪』がねつ造されたという事態の重要性を見過ごすことはできない」と口をそろえた。
同胞女性宅への強制捜索が行われたのは、昨年11月27日午前8時頃だった。捜査官は「勝手に行動したら逮捕する」と、同胞女性と現場に駆けつけた総連活動家、同胞らを威嚇しながら、家族の旅行写真や料理に関する資料など「容疑」とは何の関係もないものまで押収していった。
その後、年末まで事情聴取が執拗に行われた。警察は、何とか「犯罪性」を立証しようと同胞女性が通う病院をも捜査したが、「犯罪」を立証する「証拠」は出てこなかった。にもかかわらず、捜査官は当時、「とにかく処分は下される」と強弁したという。
ようやく今年6月4日に書類送検されたが、捜索に着手してから送検まで半年以上もかかった。法曹界の一般的な常識からすると、「半年」はあまりにも長い期間だ。これについて担当弁護士は、「とうてい理解できないこと」だと指摘する。
6月17日、形式的な警察官面談が行われたのに続き、20日に不起訴処分が決まった。
中身のない事情聴取、書類送検の遅延、そして不起訴処分に至るすべての過程は、捜査当局が同胞女性に被せた「嫌疑」を証明できるような証拠や事実関係を一つも見つけられなかったばかりか、最初から強制捜索を行うために「犯罪」をねつ造したということを反証している。
令状請求に「政治的圧力」
警視庁公安部外事課は、数百人の警官を動員して同胞女性宅と総連東京都本部をはじめとする6カ所、本部職員宅2カ所を強制捜索した。
一連の強制捜索は、「誤った捜査だった」と一言の弁明で済むレベルの問題ではない。担当弁護士らは、令状請求の段階から政治的な圧力が加えられ、すべての過程が「強制的」に執行されたと疑わざるをえないと指摘した。
古川健三弁護士は今月4日の記者会見で、「犯罪」をねつ造して行われた強制捜索の目的が何だったのかを厳しく追及しなければならないと強調した。
総連が日本と東京都に対して起こした国賠訴訟(3月30日)では、一連の強制捜索が捜索差押令状の請求と発布、執行など捜査の正当性を求める憲法(35条)と刑事訴訟法(222条1項、102条2項、218条1項など)該当規定に違反して行われ、令状の範囲を超えて捜索、押収が行われたことを問題点としている。
検証せず便乗したメディア
「薬事法違反」という警察発表に便乗したメディアは当時、何ら事実検証することなく垂れ流した。新聞はセンセーショナルな見出しをつけて大々的に報道し、テレビも「有識者」を登場させて「生物兵器を生産する危険な国」の指令を受ける「危険な人物」という誤ったイメージを意図的に流布した。
国家権力による反朝鮮、反総連策動に合流し、民族排他の風潮をあおったメディアの責任は大きい。
しかし、当時あれほど大騒ぎして報道合戦を繰り広げたメディアが、不起訴処分についてはほとんど関心を示さなかった。
ある地方新聞社の地域報道部記者は、「『金儲け』につながらない記事、『外国人』を擁護する記事を会社の上層部はよく思わない。日本の権力機関を批判する外国人ならなおさらだ」と不起訴処分と関連した「縮小報道」の構図を説明した。
一方の当局はこれに懲りず、引き続き総連に対する政治弾圧を強めている。
総連中央会館に対する強制競売申請がメディアで取り上げられるやいなや、安倍首相は「総連の構成員が拉致をはじめとする犯罪に関与してきた事実が明らかになっている」「総連は破壊活動防止法の調査対象にもなっている」との暴言を吐いた。メディアは、この首相の発言をまた、そのまま垂れ流した。
何の根拠もなしに、無辜の、それも高齢の同胞女性を「薬事法」に違反したと騒ぎ立てた日本メディアの偏向報道は、総連の最高幹部までをも「拉致問題」と関連付け、総連を「犯罪団体」であるかのように取り扱う段階にまで至っている。
徹底追求、糾弾の声を
国賠訴訟を担当している総連側弁護士は、「このような『犯罪』ねつ造が1回でも認められれば、今後は在日朝鮮人に対して何をしても許されるという風潮になる。裁判を通じて、日本政府と警察当局による政治弾圧の違法性を明らかにして、再発防止の環境と条件を整えなければならない」と強調した。
日本当局の弾圧に反対、抗議する総連と在日同胞の運動と活動は決して孤独なものではない。
1日に発表された朝鮮外務省スポークスマン声明は、総連中央会館への強制競売策動を「主権侵害」と規定。安倍政権が分別ない対決騒動に固執する場合、「該当部門で必要な措置を取る」と警告した。
また、国連代表部代表は国連事務総長宛に書簡を送り、日本当局による総連と在日朝鮮人に対する弾圧問題を、今年の国連総会の議題に上程するよう提議した。
6者会談の進展など、国際情勢の推移に逆行して孤立しつつある日本は、総連弾圧を糾弾する朝鮮の外交攻勢に直面しさらに窮地に追い込まれている。分別のない総連弾圧は、余命いくばくもない反動右翼政権の最後の悪あがきである。(取材班)
[朝鮮新報 2007.7.23]